◆宮崎駿の『千と千尋の神隠し』と神道的世界

2006年07月20日

Posted by スサノヲ(スサノオ) at 18:00 │Comments( 0 ) 映画に見る日本文化考
◆宮崎駿の『千と千尋の神隠し』と神道的世界


◆宮崎駿の『千と千尋の神隠し』と神道的世界

◆◇◆宮崎駿の『千と千尋の神隠し』と神道的世界

 アカデミー賞を受賞したアニメーション映画『千と千尋の神隠し』(将来への夢やたくましさを失った現代っ子が、 次々と降りかかる困難を克服しながら、 次第に自分の中にある"生きる力"を呼び覚ましていく様子を力強く描く冒険ファンタジーは、国内では興行成績を次々と塗り替える大ヒットを記録したばかりか、 第五十二回(二〇〇一年)ベルリン国際映画祭ではアニメ作品として初めてグランプリにあたる金熊賞を受賞するなど、宮崎アニメ(「風の谷のナウシカ」「となりのトトロ」「もののけ姫」など)の中でも特に高い評価を受けた傑作である。

 この映画や『となりのトトロ』、前作の『もののけ姫』でも、宮崎監督は精霊や八百万の神々世界を描いている。『となりのトトロ』の「トトロ」は鎮守の社の精霊で、『もののけ姫』の「たたり神」「シシガミ」は森の精霊を、『千と千尋の神隠し』の湯屋には「八百万の神々」が集う。

 そんな日本の神様を、宮崎駿が『となりのトトロ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』で現代に蘇らせているのである。欧米の人々には、こうした日本的神々と神道的世界(神道は、一神的要素も多神的・汎神的要素も含まれる世界である)が理解できるのであろうか? 

 しかし、2001年、宮崎駿氏の『千と千尋の神隠し』がベルリン映画祭で最高賞にあたる「金熊賞」を受賞した。同じく2001年暮れに、映画製作者や批評家らが選ぶ米ナショナル・ボード・オブ・レビュー(全米映画批評会)賞のアニメーション部門賞を獲得。

 そして、2002年3月に発表さたアカデミー賞のアニメーション部門で受賞した。このことは、欧米の人々もこうした世界が理解できる事を示す事例だったと言える。あのアニメ(『千と千尋の神隠し』)の中に描かれているのは、まさしく日本の神々の世界であり、神道的な世界)の現れなのだ。


スサノヲ(スサノオ)


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