
◆出雲神話と高天原神話を繋ぐスサノヲ(六)

◆◇◆出雲系神話と高天原系神話を繋ぐスサノオ神話:大和の大物主神と大和朝廷(5)
三輪山の山中には至る所に磐座があり、太古よりの多くの祭祀遺跡が出土している(※注1)。縄文時代には死と再生の循環を司る神霊・蛇神(大地の神霊)が広く信仰されていたことであろう。三輪山もそうした蛇神信仰の象徴としての神奈備山(蛇がトグロを巻いた姿形)であったのだ(※注2)。
また、そうした神が磐座に降る(宿る)とする信仰が起こり(磐座信仰)、その遣いの蛇神、雷神の信仰へと発展していく。弥生時代になると、稲作の普及と共に水神(雷神・蛇神)、日神信仰(太陽・陽光信仰)も入り、最終的に大物主神へと人格化されていったようだ。
三輪の神は古代よりこの地方の祖神として崇敬が篤かったのである(高天原系部族の来住以前に大和に住む先住民族が崇拝していた国魂の宿りし山=三輪山であり、火や水、死と再生を司る山の精霊であり蛇体の主=大物主であった)(※注3)。
※参考Hints&Notes(注釈)☆彡:*::*~☆~*:.,。・°・:*:★,。・°☆・。・゜★・。・。☆.・:*:★,。・°☆
(※注1)原始信仰では神木が神籬(ひもろぎ)とされ、巨石が磐境・磐座となり、精霊が来臨し鎮座して神奈備山になった(自然崇拝のナショナリズム)。磐座は神の降り立つ巨石の寄り代のことであり、神奈備山は神の住まう山のことである。
このような信仰は、自然物を通じて感じられる「隠れ身の神性」への畏敬の念であった。具体的なモノの背後に感るインスピレーション、聖なるものの感覚である(モノ=精霊と古代の人々は考えていた)。大神神社には今でも本殿がないが、それは三輪山自体が御神体だからである。
その後、剣や鏡、勾玉などを用いて豊穣を呪術する呪物崇拝のフェティシズム、巫術で精霊やカミと交流する術を身に付けた巫覡(ふげき)が行うシャーマニズム(原初的体験、脱魂=他界飛翔=エクスタシー、憑霊=神懸り=ポゼッション、忘我=恍惚=トランスを通して、超自然的な世界と人間界の交流を可能にする)などの信仰が混在し、弥生時代における稲作生産の発展のもとで祖霊信仰も生まれていく。
(※注2)太古より、山は人間の生活圏であるとともに神の領域であった。山に入るにはきびしい禁忌が科せられ、限られた時、限られた人以外は立ち入ることのできない神聖な場所でもあったのである(禁足地、神域)。ことに神の坐す神奈備と呼ばれる山は特別に崇められた。
たとえば、三輪山や富士山のような円錐形をした山や、二上山や筑波山のように二つの峰をもつ山は、神の坐す山として信仰の対象となり、山そのものが神(神体山)であったのである。こうした考えは古くから人々に、常世国(他界・異界)から依り来る神が山を目印として寄りつく場所だと考えられていた。次第にそこに神が常住するのだと認識されるようになっていったようだ。
このことからも、神の坐す聖なる山(神奈備山・神山)とは、神の世界と人間の世界との境目として神と人とが交わる場所だということがいえそうである。
(※注3)太古より山に超自然的存在を見出す、アニミズム的観念ともいうべき自然物信仰があったことは、日本だけでなく普遍的な精神観・宗教観であった。超自然的存在に畏れ多いとする観念のなかに、畏怖・畏敬の念を抱く原初的山岳信仰を窺うことができる。
古代には、人は亡くなると肉体から霊魂が離れ、その霊魂は祖先として残された家族を見守るとされている。そのことから生存者は、自分達を守護してくれる祖先の霊を尊く崇敬する。ここに祖霊への信仰が成立するのである。
この際、祖霊があの世に行く前に集まる場所は山とされたり、時には山自体があの世とされ、祖霊の宿る場所とみなされるケースが、全国各地に残されている。このことからも、山は畏れ多い場所と考えられ、祖霊信仰における信仰対象に位置付けられた。
古代の信仰には、山は神の宿る場所、もしくは神そのものであるとする精神観がある。こうした神奈備山信仰から、人は畏れ多いということで山には踏み入ることがなかった。そこで山麓や平野部から山を崇めようとする信仰形態が生まれたと考えらる。ここから禁足地という概念と、麓から神祭りを行なう山麓祭祀が発生するのである。
スサノヲ(スサノオ)
◆アマテラス(天照大神)と伊勢神宮の謎(二)
◆アマテラス(天照大神)と伊勢神宮の謎(一)
◆神話の世界観、本能的に世界の本質を感じ取る
◆神話の死生観、死を発見し理解し概念として他者と共有した
◆2012年『古事記編纂1300年記念』
◆『古事記』、神話のコスモロジー(一)
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◆2012年『古事記編纂1300年記念』
◆『古事記』、神話のコスモロジー(一)
この記事へのコメント
スサノヲ(スサノオ) さん
いつも、楽しく勉強させて頂いております。
有難うございます。
「銀杏の黄色い葉」 ・・・ 冬の陽に輝いて実に美しいですネ。
いつも、楽しく勉強させて頂いております。
有難うございます。
「銀杏の黄色い葉」 ・・・ 冬の陽に輝いて実に美しいですネ。
Posted by サムチャン at 2006年12月19日 14:27
サムチャンさん、コメント有難うございます。
拙い内容ですが、
何らかの参考になっていますでしょか?
気ままに日本の文化について書いています。
今後も様々な内容を書いていきますので、
また読んでください。
スサノヲ(スサノオ)
拙い内容ですが、
何らかの参考になっていますでしょか?
気ままに日本の文化について書いています。
今後も様々な内容を書いていきますので、
また読んでください。
スサノヲ(スサノオ)
Posted by スサノヲ(スサノオ) at 2006年12月23日 18:06
サムチャンさん、コメント有難うございます。
拙い内容ですが、
何らかの参考になっていますでしょか?
気ままに日本の文化について書いています。
今後も様々な内容を書いていきますので、
また読んでください。
スサノヲ(スサノオ)
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今後も様々な内容を書いていきますので、
また読んでください。
スサノヲ(スサノオ)
Posted by スサノヲ(スサノオ) at 2006年12月23日 18:06