Posted by 滋賀咲くブログ at
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◆春、花見の由来は祓いのための宗教的行事

2007年03月31日

Posted by スサノヲ(スサノオ) at 09:20 Comments( 0 ) 年中行事に見る日本文化考



◆春、花見の由来は祓いのための宗教的行事

◆◇◆花見の由来は、古来から祓(はら)いのための宗教的行事、元々は神事でお祭りだった

 桜の木の下での春の楽しみといえば、お花見でだ。「三日見ぬまの桜かな」と歌われたように、うっかりするとすぐに散ってしまうのが桜である。

 定番のお花見といえば、桜の木の下で日頃の憂さ晴らしとドンチャン騒ぎ、その日ばかりは無礼講のようでだ。今日においてはお花見とは名目で、本当は桜は酒の肴にすぎず、飲み食いに重点があるようである。

 しかし、花見の由来は、古来から祓(はら)いのための宗教的行事だったようである。期日が設定され、野山に出かけ花を愛で、その下で楽しむことで、厄を祓(はら)い神さまと過ごすとされていた。

 かつては、秋の稔りを願い、花の下でお祭りをし、花で収穫を占ったのである。開花は神様が降りられた証で、パッと散ると凶とされた。

 お花見は平安時代より貴族が始め、今の京都の二条城のあたりに天皇が行幸(ぎょうこう)し桜見物を行ったそうである。その後、貴族・武士の間で盛んになり、豊臣秀吉が行った「吉野の花見」は有名だ。

 江戸時代になると庶民の娯楽として定着する。桜の季節が近づくとなぜか心が弾む。日本人にとって、花見はきってもきれない春の楽しみになってしまったのである。

 お花見といえば 「桜」、何故だろうか? 「花」といえば「桜」をさすほど日本人にとっては大切な花となった。

 また桜は山の神が降りてくる時の目印になる木として、特別に神聖視されており、お花見に付き物のお酒も、本来は神に供えたお下がりを皆でいただくものであった(今は、全く本来の意味を忘れてしまっていますね・・・苦笑)。

 さくらの「さ」は山の神さま(田の神さま・稲の神さま)、「くら」は山の神さま(田の神さま・稲の神さま)のおわします座を意味し、桜の木は神様の依り代であるのだ。

 また、「咲く」から来ているという説もあり、花といえば桜、咲くといえば桜だったとしたら、これも長い歴史の中で日本列島に受け継がれてきた精神的遺産(無意識の日本人好みの花として)ということだろうか。


スサノヲ(スサノオ)


◆春、花見と団子と稲作信仰

2007年03月31日

Posted by スサノヲ(スサノオ) at 09:19 Comments( 0 ) 年中行事に見る日本文化考



◆春、花見と団子と稲作信仰

◆◇◆団子と稲作信仰、三月は十六団子、四月は花見団子・・・

 団子は昔から季節に応じて食べられてきた。三月は十六団子である。山の神さまが下りてきて田の神さまになる時にお供えするものだ。

 四月は花見団子である。桜を見ながら、桜色の団子や三色団子などをいただく。旧暦八月には月見団子。中秋の名月を見ながら、白い団子を頂く。十一月にはまた十六団子。今度は田の神様が山に戻って山の神様になるのにお供えする。

◆◇◆団子の起源と語源

 日本で団子が作られるようになったのは縄文時代頃であろうといわれている。初期の団子はいわゆる「粢(しとぎ)」で、米・粟(あわ)・稗(ひえ)・黍(きび)・豆・椚(くぬぎ)の実・楢(なら)の実などを粉にして水で練った、火を使わない団子であった。これは現在でも民間習俗で死者の枕元に供える枕団子がこの粢(しとぎ)の方式だ。

 「団子(だんご)」という言葉の語源については定かではないが、中国の「団子(トゥアンズ、餡入り団子、日本の団子に相当するものは中国では円子、なおちなみに団の旧字は團、円の旧字は圓)」から来たという説、「団」が丸いという意味なので形から来たという説、「団」は集めるという意味で粉を集めて作るからだという説、などなどがある。

 串団子は室町時代頃に発生したと言われてるが、最初の頃は五個刺すのが基本であったが明和年間に四個のものがはやったとされた。現在では団子の大きさ次第で三個から五個の範囲で刺している。


スサノヲ(スサノオ)


◆春、桜の語源と稲作信仰、花の日と花祭り

2007年03月31日

Posted by スサノヲ(スサノオ) at 09:18 Comments( 1 ) 年中行事に見る日本文化考



◆春、桜の語源と稲作信仰、花の日と花祭り

◆◇◆桜の語源と稲作信仰(サ神信仰)

 春には山の神さまは田の神さまになり、「御田植えの神」になるため里に降りてくるとされていた。そして山の神さまは山から降りて来る途中、桜に宿るとされていた。

 サクラの「サ」は山の神さま(稲の神さま)のことで、「クラ」は山の神さまが一時宿る神の座を意味していると言う。そこから、桜を「サクラ」というようになったそうだ。

 このように、サクラは稲作信仰と強く結びついている。福島県では種をまく時期をサクラに頼っていたとか、福島県岩代町では稲代作りの目安になるサクラを「コエアゲサクラ」といい、福島県白河市では、「稲代しめ桜」というそうだ。ちなみに、サクラはバラ科で、原産地は韓国済州島である。

◆◇◆花の日(春山入り)と稲作信仰(サ神信仰)
 
 民間行事の花祭りは花の日とか春山入りとも呼ばれ、この日にお墓参りをしたり、山に登って花(石楠花が多い)を摘み、それを長い竹の先につけて庭に立て、これによって山の神さまを里に迎え入れる。

 一般に日本では山の神さまが春に里に下りてきて田の神さまとなり(さおり)、田の神さまが秋には山に帰って山の神さまとなる(さのぼり)という基盤的な信仰が存在した。またこの時期は桜を愛でる花見の季節でもある。
 
◆◇◆花祭り(灌仏会・釈尊降誕会・仏生会・浴仏会) 

 「花祭り」とはお釈迦様の誕生日のことである。仏教では灌仏会(かんぶつえ)又は釈尊降誕会(しゃくそんごうたんえ)と言い、釈迦誕生仏像に参拝客が甘茶を掛ける行事が行われる。

 花祭りは、仏生会・浴仏会・灌仏会などとも言う。灌仏会を花祭りと呼ぶのは一般には浄土宗・浄土真宗系のお寺が多いようだが、元々はこれは仏教の灌仏会と、民間行事の花祭りとが合体してできたのではないかとも言われている。だいたい明治後期頃、欧州留学僧たちが言い出した呼び名のようだ。

 この「花祭り」と呼ばれる灌仏会の場合、お堂を花で一杯に飾り花御堂として、その中に水盤に乗せた誕生仏を置き、竹の柄杓で甘茶あるいは五種の香水を掛ける。

 またお釈迦様のお母さんの麻耶夫人が白い象が体内に入る夢を見てお釈迦様を妊娠したという伝説にもとづき、境内に大きな白い象の作り物が置かれるところもある。この象の上に花で飾った輿にのせた誕生仏を乗せパレードをするお寺もある。

 お茶を掛けるのは、生まれたばかりのお釈迦様に天から九竜が香湯を注いだという伝説にちなんだものと言われる。一部の地方ではこの甘茶をもらって帰り、それで墨をすって「千早振る卯月八日は吉日よ神さげ虫を成敗ぞする」という歌を書いてトイレや柱などに逆さまに貼り付けると蛇や害虫がやってこない、というおまじないがある。


スサノヲ(スサノオ)