◆神野山周辺の巨石群は、古代の磐座信仰か?
◆◇◆山添村の神野山周辺の巨石群は、星座を地上に投影したイワクラ(磐座)信仰を示すのか?
奈良県山辺郡山添村の神野山周辺に点在する巨石群は、古代に信仰の対象となったイワクラ(磐座)ではないか?・・・。
夏の大三角形を構成する星々と天の川を地上に投影したものではないか?・・・。
山添村では、巨石研究の動きが活発化している。近く、「山添村いわくら研究会」を設立するほか、巨石研究に取り組む全国ネットワーク「イワクラサミット」の開催を計画するなど、太古の文明に対する関心が沸き起こっているのだ。
山添村では、こうした不思議を研究する研究会を設立し、議論を活発にすることを計画しているようである。全国でイワクラ(磐座)を研究する自治体や民間研究者らが集い、2002年は秋田県で「第4回イワクラサミット、イワクラ・サミットin秋田」(秋田県田沢湖町と西木村の共同開催)開催された。
山添村の神野山(高さ618.8メートル)周辺には、巨石が多く点在している。周囲の地質とは異なる岩石が幅二十五メートル、長さ約六百五十メートルにわたって密集している「鍋倉渓(なべくらけい)」のほか、神野山の山頂付近にある伝説上の姫の墓とされる王塚、山頂北側の高さ七メートル、幅八メートルもある八畳岩、東側の高さ二メートルを超える天狗岩など、なぜそこにあるのか説明の難しい岩石群が多数存在してる。
特に「鍋倉渓(なべくらけい)」は、周辺が花崗(こう)岩質であるのに対し、火成岩の一種である角閃班糲岩(かくもんはんれいがん)が川のような形状で密集しており、前地質時代に山の表面が風化して土壌化する際に、堅い岩石だけが残ったとされているが、珍しい現象であるため、奈良県の自然公園の一部に指定されている。
山添村には、神野山の天狗と上野(現在の三重県上野市)の天狗が喧嘩をし、岩を投げあったなどの伝承が残っている。こうした岩石群について、イワクラ(磐座)を研究する民間研究者の匠里都市研究所(大阪市)の柳原輝明所長が着目しました。
王塚、八畳岩、天狗岩が、夏の大三角形を構成する白鳥座のデネブ、琴座のベガ、わし座のアルタイルの位置関係と一致する上に、「鍋倉渓(なべくらけい)」も天の川の位置に一致するとして、「天空の星の位置を地上に投影したものでは」とする説を打ち出している。
巨大な岩を信仰の対象とする「イワクラ(磐座)」は全国各地にあり、ご神体として岩を祭る神社も数多くある。山添村にも、「山の神」信仰があり、巨石を祭る風習が今も残っている。柳原輝明氏(匠里都市研究所)は「古代人からのメッセージ」として、イワクラ(磐座)の可能性を指摘する。
『日本超古代遺跡』などの著書がある歴史ノンフィクション作家の鈴木旭氏は、「神野山を中心に意味不明の岩がたくさんあり、忘れられたご神体としての重要な意味を持つのではないか。岩を神として祭るイワクラ(磐座)は、古代には山間部を中心に全国各地にあったが、長い年月のなかで破壊されてきた。山添村は、手つかずで残っている数少ない土地といえる」と話す。
※参考HP(ホームページ)
◆山添村のホームページ
http://www.vill.yamazoe.nara.jp/
スサノヲ(スサノオ)