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◆「夏越の祓」と「禊祓」の神道思想(一)
◆◇◆「夏越の祓(水無月の祓・六月の晦の大祓)」と「禊祓」の神道思想
「禊(みそぎ)」と「祓(はらえ)」は神道の基本(根本思想)となるものである。「禊」は、身の穢れを取り除いて浄め、神に近づくに相応しい身になるためのものである。また「祓」は、神に祈って心の穢れを取り払う神事である。しかし今は、その両方を合わせて単に「禊」「祓」といわれる(穢れが取り除かれた状態を「ハレ」という)。
その祓(はらえ)の中でも、6月と12月の大祓(おおはらえ)は特に重視される。12月大晦日の大祓を「年越しの祓」というのに対して、6月の晦日(30日)の大祓を「夏越の祓(なごしのはらえ)」という。平安時代には、大内裏の朱雀門で百官万民の罪穢れを祓う行事が行われた。
今でも数多くの神社で「夏越の祓(なごしのはらえ)」が営まれ、「茅の輪くぐり」の祭事が行われている。茅(かや)で作った大きな輪を鳥居の下や境内に置き、その下をくぐると罪や穢れが祓われるとされる。
また、神社から配られた人形(ひとがた)に名前と年齢を書き、それで体を撫でたり息を吹きかけて穢れを移し、神社に奉納する形式もある。その人形は水に流すのが基本である。特に、京都の賀茂神社・大阪の住吉神社・東京の日枝神社・埼玉の氷川神社の「夏越の祓」は有名だ。
民間行事としても、この日に川や海の水を浴びて「禊祓(みそぎはらえ・みそぎはらい)」をする行事が広く行われている。牛馬を洗ったり、井戸をさらうなど水に関連した行事が数多く存在する(12月に大掃除をするように、6月にも大掃除をする)。
何故こんな水に関連した多いのであろうか。それは山青く水清き日本列島の自然環境(東アジアのモンスーン地帯の稲作文化圏でも降雨量の多い国)が、こうした日本独自の「水の文化」「水の信仰」を育んだのだ。
そして海浜の塩水や河川の清流は、あらゆる罪や穢れを洗い浄める強い浄化力(神道的清浄観)があるとする信仰を生み出すのである(日本人ほど穢れを忌避し、清浄を尊び、若々しい生命力をたたえる民族はないかもしれない)。
スサノヲ(スサノオ)